青春18きっぷを2人以上で使うには
青春18きっぷの大きな特徴として、1枚を2人以上の複数人で使える、というルールがあります。青春18きっぷは5回分セットですが、これをたとえば5人で1回分ずつ使う、ということが可能です。ただし、同時使用をしなければなりません。
では、ばらばらの駅から集合する場合はどうするのでしょう? 2人で使って1回分余った場合は? などばど、複数人使用には、ちょっとした疑問が浮かんでくるものです。
ここでは、青春18きっぷの複数人での使い方について、わかりやすく解説します。
2人以上での青春18きっぷの使い方
まずは、2人以上の複数人利用時の注意事項を、箇条書きにしてみましょう。
- 1日1人につき1回分を使用する。
- 5人まで同時利用が可能。
- スタンプは人数分押される。
- 同時利用する人は、同一行程でなければならない。
- 複数人が合流するときは、改札外でなければならない。
2人以上の複数人で青春18きっぷを使うときも、基本的な使い方は1人使用と同じです。改札を抜けるときに、スタンプを押してもらって、列車に乗って旅をする、という基本ルールは変わりありません。
異なるのは、改札口を通るとき、使用する人数分のスタンプを押してもらう、という点です。2人使用なら、スタンプが二つです。
同一行程利用が大原則。合流は改札の外で
2人以上で青春18きっぷを使うときは、同一行程でなければなりません。東京駅〜大阪駅まで使うときに、別の一人が町田駅から乗車して横浜駅で合流する、という使い方はできません。
ただし、別の一人が町田から横浜までの乗車券を別途購入して横浜線に乗車し、横浜駅の改札口の外で合流し、そこから2人で大阪まで旅をする、という使い方はできます。つまり、1人は東京駅〜大阪駅まで青春18きっぷを利用し、もう1人は横浜駅〜大阪駅まで利用する、ということになります。
このとき、2人の合流は合流駅の改札口の外でなければなりません。最初の駅で1人目のスタンプを押してもらい、合流駅の改札口で2人目のスタンプを押してもらう、という順序になります。当初の駅で、1人しかいないのに、2人分のスタンプを押してもらうことはできません。
上記の例でいうと、東京駅改札口で1人目のスタンプを押してもらい、横浜駅でいったん列車を降りて改札口を出て、町田から来た同行者と改札外で合流し、横浜駅の改札口で2人目のスタンプを押してもらい、大阪まで同時に旅をする、ということになります。
3人以上の場合も同様です。合流時には、いったん改札を出て合流し、全員で改札口に入り直さなければなりません。
なぜ「車内合流」ができないのか?
この合流方法だと、最初に青春18きっぷを使い始めた「1人目」も、合流時にいったん列車を降りなければなりません。東京のように列車本数が多いところでは問題になりませんが、地方など列車本数が少ないところでは、不便なルールです。
最初に2人分のスタンプを押してもらって、もう1人は別のきっぷで列車に乗って、車内で合流できればいいのに、と思う人も多いでしょう。それはなぜ、できないのでしょうか。
理由は簡単で、車内合流を可能にすると、「2人目」が簡単に不正乗車ができてしまうからです。上記の例でいえば、車内合流を可能にすると、「2人目」は町田駅で初乗り区間を買って、そのまま何食わぬ顔をして「1人目」と合流して大阪まで旅をすることができてしまいます。そういう不正を防止するために、車内合流は不可となっているのです。
余った場合は?
たとえば、2人同時使用で往復旅行をした場合、2人×2日分で4回分の青春18きっぷを使用します。1回分余りますが、これはどうしたらいいのでしょうか。
答えは、とくにありません。余った1回分を、どちらかが使うか、第三者が使うか、金券ショップで売るか、使わないで捨てるか、などの選択肢があります。JR駅窓口で払い戻してもらうことはできません。