青春18きっぷを2人以上の複数人で使うには
青春18きっぷの複数人使用は、2024年度冬季分よりできなくなりました。以下は、2024年夏季までのルールです。
青春18きっぷの大きな特徴として、1枚を2人以上の複数人で使える、というルールがあります。青春18きっぷは5回分セットですが、これをたとえば5人で1回分ずつ使う、ということが可能です。ただし、同時使用をしなければなりません。
では、ばらばらの駅から集合する場合はどうするのでしょう? 2人で使って1回分余った場合は? などなど、複数人使用には、ちょっとした疑問が浮かんでくるものです。
ここでは、青春18きっぷの複数人での使い方について、わかりやすく解説します。
複数人での青春18きっぷの使い方
まずは、青春18きっぷを2人以上の複数人で利用する場合の注意事項を、箇条書きにしてみましょう。
- 1日1人につき1回分を使用する。
- 5人まで同時利用が可能。
- スタンプは人数分押される。
- 同時利用する人は、同一行程でなければならない。
- 複数人が合流するときは、改札外でなければならない。
2人以上の複数人で青春18きっぷを使うときも、基本的な使い方は1人使用と同じです。改札を抜けるときに、スタンプを押してもらって、列車に乗って旅をする、という基本ルールは変わりありません。
異なるのは、改札口を通るとき、使用する人数分のスタンプを押してもらう、という点です。2人使用なら、スタンプが2つです。同一日使用であっても1つのスタンプで2人以上が旅行することはできません。
同一行程利用が大原則。合流は改札の外で
2人以上で青春18きっぷを使うときは、同一行程でなければなりません。たとえば、東京駅→大阪駅を青春18きっぷで旅するときに、別の一人が武蔵小杉駅から乗車して川崎駅で合流する、といった使い方はできません。
ただし、別の一人が武蔵小杉から川崎までの乗車券を別途購入して(またはSuicaなどで)南武線に乗車し、川崎駅の改札外で合流し、そこから2人で大阪まで旅をする、という使い方はできます。このとき、1人は東京駅→大阪駅で青春18きっぷを利用し、もう1人は川崎駅→大阪駅で利用する、ということになります。
重要な点として、2人が合流する場合、合流地点は駅の改札外でなければなりません。最初の駅で1人目のスタンプを押してもらい、合流駅の改札口で2人目のスタンプを押してもらう、という順序になります。当初の駅で、1人しかいないのに、2人分のスタンプを押してもらうことはできません。
上記の例でいうと、東京駅改札口で1人目のスタンプを押してもらい、川崎駅でいったん列車を降りて改札口を出て、武蔵小杉駅から来た同行者と改札外で合流し、川崎駅の改札口で2人目のスタンプを押してもらい、大阪駅まで同時に旅をする、ということになります。
3人以上の場合も同様です。合流時には、いったん改札を出て合流し、全員で改札口に入り直さなければなりません。
なぜ「車内合流」ができないのか?
この合流方法だと、最初に青春18きっぷを使い始めた「1人目」も、合流時にいったん列車を降りなければなりません。東京のように列車本数が多いところでは問題になりませんが、地方など列車本数が少ないところでは、不便なルールです。
最初に2人分のスタンプを押してもらって、もう1人は別のきっぷで列車に乗って、車内で合流できればいいのに、と思う人も多いでしょう。それはなぜ、できないのでしょうか。
理由は簡単で、車内合流を可能にすると、「2人目」が簡単に不正乗車ができてしまうからです。上記の例でいえば、車内合流を可能にすると、「2人目」は武蔵小杉駅で初乗り区間を買って、そのまま何食わぬ顔をして「1人目」と合流して大阪駅まで旅をすることができてしまいます。そういう不正を防止するために、車内合流は不可となっているのです。
降車駅が別々の場合は?
では、複数人の旅行者が別々の駅で降車する場合はどうしたらいいのでしょうか?
これは乗車時と逆のパターンで、複数人が同時に改札口を出て、改札外で別れます。改札内や列車内で別れても、青春18きっぷがないと、出場できないためです。
たとえば、大阪駅→東京駅の旅行者と大阪駅→武蔵小杉駅の旅行者が、大阪駅→川崎駅を同一行程で旅する場合をみてみましょう。大阪駅→東京駅の旅行者が青春18きっぷを東京駅まで利用するとしても、大阪駅→武蔵小杉駅の旅行者と一緒に川崎駅で降車して、改札口を出る必要があります。
大阪駅→武蔵小杉駅の旅行者は、川崎駅の改札外で武蔵小杉駅までのきっぷを買って(またはSuicaなどで改札を通過して)、武蔵小杉駅まで一人で旅行することになります。大阪駅→東京駅の旅行者は、川崎駅の改札口を青春18きっぷで入り直して、東京駅の改札口を青春18きっぷで出場します。
もし川崎へ向かう列車内で車掌と接する機会があれば、川崎→武蔵小杉のきっぷを車内販売してもらうという方法もあります。その場合は、大阪駅→東京駅の旅行者は東京駅まで乗り通し、大阪駅→武蔵小杉駅の旅行者は川崎駅で降車し、乗り換えて南武線で武蔵小杉駅へ向かうことができます。
余った場合は?
たとえば、2人同時使用で往復旅行をした場合、2人×2日分で4回分の青春18きっぷを使用します。1回分余りますが、これはどうしたらいいのでしょうか。
答えは、とくにありません。余った1回分を、どちらかが使うか、第三者が使うか、金券ショップで売るか、使わないで捨てるか、などの選択肢があります。JR駅窓口で払い戻してもらうことはできません。