青春18きっぷ研究所

大阪〜仙台の上手な利用法

大阪〜仙台は、普通・快速列車で17時間程度です。早朝に出発すれば、その日のうちになんとか到着する行程で、完全に丸一日を移動に費やします。途中の乗り継ぎ時間は短く、食事をする時間はほとんどありません。また、ちょっとでも遅延が発生すると、目的地まで到着できなくなる可能性もあります。

ただ、普通運賃で11,000円以上する距離を青春18きっぷ1枚で利用できるのですから、コストパフォーマンスは抜群です。LCCも真っ青の激安コースといえるでしょう。

乗り換えは10〜13回程度。乗り遅れたらアウト、という区間もありますので、事前の下調べは念入りに。新幹線の一部区間だけ組み合わせた「ワープ」を使うと効果的だったりします。

ここでは、大阪~仙台間を青春18きっぷで上手に利用するためのポイントとモデルルートを簡単にまとめました。

大阪~仙台のモデルルート

223系新快速

大阪~仙台間を青春18きっぷで旅行する際のモデルルートは、以下の通りです。

【東海道本線・東北本線】大阪~米原~大垣~豊橋~浜松~熱海~東京/新宿~宇都宮~黒磯~新白河~郡山~福島~仙台
【東海道本線・常磐線】大阪~米原~大垣〜豊橋~浜松〜熱海〜東京〜水戸〜いわき〜原ノ町~仙台

大阪~東京は、東海道本線を利用します。東京~仙台は東北本線または常磐線を利用します。途中の乗り換え駅は、東北本線経由が12駅程度、常磐線経由が10回程度です。所要時間は東北本線経由のほうがやや短めですが、乗り換えが少ない常磐線ルートのほうがラクでしょう。

全体的に列車本数は多く、最低でも毎時1本程度は運行しています。接続もおおむね良好です。ただし、早朝発深夜着でないと実現できない行程ですので、接続パターンはそれほど多くありません。乗り遅れたらアウト、という場合もありますので、事前に時刻表で利用する全ての列車を確認しておきましょう。

ポイント1 常磐線ルートがラク

東北本線ルート、常磐線ルートのどちらも利用できますが、全行程が長いので、乗り換え回数が少ない常磐線ルートがラクでしょう。

ポイント2 できれば始発で出発する

始発列車でなくても到達できますが、途中で休憩する時間がなくなります。できれば始発列車か、そうでない場合も、できるだけ早く出発したほうがいいでしょう。

ポイント3 事前に最終乗り継ぎを確認しておく

大阪~仙台間は早朝に出発して深夜に到着する長丁場です。計画的に乗り継ぐ必要があるので、事前に乗り換え案内アプリで「終電」検索をして、最終乗り継ぎを確認しておきましょう。その列車に乗り遅れたらたどり着けない「最終列車」を、常に意識しておきます。

ポイント4 上野東京ラインは都心を過ぎてから乗り換える

東北本線ルートの場合、熱海~宇都宮間直通の上野・東京ラインに乗れたらラクですが、時間があわない場合は、東海道線と東北本線(宇都宮線)をどこかで乗り換えなければなりません。

上記「モデルルート」では、東京/新宿を例示していますが、実際の乗り換えポイントは、北行きが大宮、南行きが戸塚がおすすめです。いずれも都心から離れていくポイントなので、乗り換え後、立ってしまっても、少ししたら座れます。北行き戸塚、南行きで大宮で乗り換えると、都心まで30分以上立たなければならない可能性があります。

常磐線ルートの場合は、基本は品川乗り換えですが、常磐線列車が上野始発・終着の場合もありますので、その場合は上野で乗り換えます。

ポイント5 グリーン車を活用する

上野東京ライン、湘南新宿ライン(熱海~宇都宮・水戸)の列車にはグリーン車が連結されています。別途グリーン料金がかかりますが、混雑する東京近郊を、座って快適に旅行できます。

熱海~宇都宮・水戸間は4時間近くかかりますので、コスパは抜群です。熱海~宇都宮・水戸間を通算で利用でき、途中、乗り換えても追加料金は不要です。

ポイント6 黒磯~新白河はワープも検討

東北本線ルートの場合、はおおむね毎時1本以上の列車が運行していますが、黒磯~新白河間のみ、運転間隔が1時間半程度空くことがあります。

黒磯~新白河間の普通列車の接続が悪いときは、那須塩原~新白河で新幹線を使うと早く着けることがあります。自由席利用で1,390円かかりますが、うまくいけば、行程が1時間早くなります。

ポイント7 食事はグリーン車で

大阪~仙台間は約17時間かかりますので、途中、食事を2回は取りたいところ。お昼時に首都圏を走りますので、上述のグリーン車内にお弁当を持ち込んで食べるといいでしょう。

外で食べるなら、乗換駅で駅ビルや駅周辺に飲食店が多いのは、大垣、豊橋、浜松、静岡、宇都宮、郡山、福島、水戸です。もちろん、東京近郊はどの駅で降りても飲食店を見つけるのは難しくありません。

ポイント8 休憩を予定に組み込んでおく

乗換案内のアプリで表示される乗り継ぎを実践すると、17時間にわたってひたすら列車を乗り継ぐ旅になってしまい、疲れます。そのため、できるだけ早めに出発し、疲れた少し休む、という形で旅を進めるといいでしょう。乗換案内で終電(最終乗り継ぎ)を確認し、それより早い時間帯に進んでいれば大丈夫です。