東京〜札幌の上手な利用法
東京〜札幌を青春18きっぷだけで旅行することはできません。新幹線やフェリーと組み合わせる必要があります。複数のルートがあり、ルートによって所要時間は異なりますが、いずれも2日間以上の行程となります。
実際には、東京〜札幌を、青春18きっぷだけで移動するのは困難で、北海道・東日本パスのほうが便利です。こだわりのない方はそちらをご利用ください。ここでは、どうしても青春18きっぷを利用したい、という人のためのモデルルートを簡単にまとめました。
東京～札幌のモデルルート
東京～札幌間を青春18きっぷで旅行する際のモデルルートは、以下の通りです。
【①新幹線ルート】東京〜青森～奥津軽いまべつ～（北海道新幹線）～木古内～函館～札幌
【②青函ルート】東京〜青森～（フェリー）～函館～札幌
【③青室ルート】東京〜青森～（フェリー）～室蘭～札幌
【④八苫ルート】東京～盛岡～（IGR/青い森鉄道）～八戸～（フェリー）～苫小牧〜札幌
【⑤新日本海ルート】東京～新潟～（フェリー）～苫小牧または小樽〜札幌
おもなルートは以上の5つです。いずれも、北海道新幹線またはフェリーを組み合わせて、本州・北海道間を渡ります。
1 北海道新幹線ルート
東京から青春18きっぷ1枚で当日中に青森まで到達するには、東京〜長岡〜秋田〜青森と乗り継ぎます。東京を早朝に出発すれば、当日中に青森まで行けます。青森で宿泊し、翌朝「北海道新幹線オプション券」を使って函館まで行き、函館〜森〜長万部〜倶知安〜小樽〜札幌で到着できます。合計で青春18きっぷを2日分と、北海道新幹線オプション券1枚が必要です。
逆コースは、札幌から青森が同日着できないので、函館と、本州内のどこかの2箇所で宿泊しなければなりません。そのため、青春18きっぷは3枚分必要となります。
北海道新幹線オプション券については、こちらをご覧ください。
→青春18きっぷ北海道新幹線オプション券
2 青函ルート
上記ルートで青森まで来たあと、青森〜函館間の深夜フェリー（青函フェリー）を利用する方法です。函館に早朝に到着すれば、そのまま同日、札幌に着けます。
青森フェリーターミナルは青森駅から2.5km、、函館フェリーターミナルは五稜郭駅から約2.5kmです。津軽海峡フェリーもありますが、価格は青函フェリーより高く、フェリーターミナルも駅から離れていますので、船にこだわりのある方以外にはおすすめしません。（船は津軽海峡フェリーのほうが豪華）。
札幌発の場合も、同様に深夜フェリーを使えば2日間で東京に到着できます。どちらも、青春18きっぷ2枚とフェリー代がかかります。
東京～青森間の乗り継ぎに関しては「東京～青森の上手な利用法」をご覧ください。
３ 青室ルート
東京～青森間を青春18きっぷ利用、青森～室蘭間を津軽海峡フェリーで渡り、室蘭～札幌間も青春18きっぷを使う方法です。
青森～室蘭フェリーは1日1往復だけで、下りは午前発の昼行便、上りは夜発の夜行便です。下りの場合は、青森で1泊して青室フェリーに乗れば、同日中に札幌に着けます。上りは、札幌を夕方に出れば室蘭を夜発のフェリーに乗ることができ、翌朝青森を始発で出発して同日中に東京に着けます。青春18きっぷ2枚と、フェリー代がかかります。
4 八苫ルート
東北線で盛岡まで来たあと、IGR線〜青い森鉄道で八戸に至ります。八戸からシルバーフェリーの夜行便で苫小牧に抜ける方法です。IGR/青い森鉄道の運賃が別途必要です。盛岡～八戸間は東北新幹線を使っても、価格的には大差ありません。苫小牧～札幌間はJR線利用ですが、青春18きっぷを使うより、普通にきっぷを買った方が安いです。
八戸フェリーターミナルは本八戸駅から約6km、苫小牧フェリーターミナルは苫小牧駅から4km離れています。それぞれバスはあるものの不便です。そのため、八戸駅と苫小牧駅に青春18きっぷでアクセスするのは、正直、あまりおすすめはしません。
それよりおすすめなのは、青春18きっぷを東京〜盛岡のみ使い、盛岡から高速バスで八戸まで行き、そこからシルバーフェリーに乗り継ぐ方法です。「盛岡・札幌なかよしきっぷ」という割引きっぷを使えば、「盛岡〜八戸〜苫小牧〜札幌」のバス、フェリー代がセットになっています。この場合、道内の苫小牧～札幌間はバスなので、青春18きっぷは東京～盛岡間の1日分だけで済みます。
東京を早朝に出れば、盛岡から高速バスに乗って、八戸発の深夜フェリーに間に合います。苫小牧で高速バスに乗り継いで、翌朝9時前には札幌に着きます。
札幌を21時頃の高速バスで出れば、苫小牧発の深夜フェリーに乗り継ぎ、高速バスで午前中に盛岡に着きます。そこから青春18きっぷで同日中に東京に到着できます。
5 新日本海ルート
東京〜新潟間で青春18きっぷを使い、新潟から苫小牧まで新日本海フェリーを使います。東京を朝出て、夕方に新潟着。新潟発の夜行フェリーで、翌日の夕方に苫小牧に着きます。
札幌発の場合は小樽経由となり、小樽を夕方出て、新日本海フェリーで翌朝に新潟着。乗り継いで当日夕方に東京に着きます。
フェリー代が結構かかるので、あまり意味のある方法ではありませんし、もはや青春18きっぷの旅と呼べるのかも疑問です。
どのルートがいいのか？
結局、どのルートがいいのか、という話になると、2の青函ルートが基本でしょうか。青函区間をフェリーで、その他を青春18きっぷで、というのが、青春18きっぷの旅らしいと思います。
現実的な話をするなら、青春18きっぷではなく、「北海道&東日本パス」を使った方がいいでしょう。別途料金で新青森～新函館北斗間の新幹線に乗れます。